コラム
レンタルサーバとクラウドサーバの違いをウェブ制作視点で解説!

ウェブサイトを制作する上で欠かせないのが「サーバ」の選択です。
サーバは、御社のウェブサイトをインターネット上に公開し、訪問者に情報を届けるための「家」のような存在ですが、「どのサーバを選べば良いのか?」という点で、初めてウェブサイトを運営する方には少し難しい問題です。
特に課題になるのが、「レンタルサーバ」と「クラウドサーバ」の違いです。このコラムでは、サーバの知識があまりない方にも分かりやすいように、ウェブサイト制作の視点から両者の違いを解説していきます。
これを参考に、御社のサイトに最適な選択肢を見つけてください!
そもそもサーバとは
まず簡単に「サーバ」の役割を説明します。サーバは、ウェブサイトの「データ」を保存し、訪問者がブラウザからアクセスするとそのデータを送信する役割を果たします。
サーバがなければ、ウェブサイトはインターネット上で公開することができません。
ウェブサイトを作ったら、どこかのサーバに「置く」必要があります。
そして、主要な選択肢が「レンタルサーバ」と「クラウドサーバ」です。
レンタルサーバのサービスでもクラウドを提供しているものもありますが、
このコラムでは分かりやすく「レンタルサーバ」と「クラウドサーバ」といった括りに絞って説明をします。
レンタルサーバとは
レンタルサーバは、サーバの一部を借りて使うサービスです。特定の会社が所有している物理的なサーバを利用者がシェアし、共用で利用します。
他の利用者と同じサーバ内でデータを保存する「共用サーバ」が一般的ですが、専用の物理サーバを貸し出してくれる「専用サーバ」も選べます。
特徴
- 固定プランが多く、あらかじめ決められたストレージ容量やメモリ、CPU性能を使用します。
- 月額料金が安いものが多いため、初期コストを抑えることができます。
- 運営会社がサーバの管理を行うため、セキュリティや保守に関して詳しくなくても使いやすいです。
メリット
- 手軽に始められる:必要最低限のプランから選べるので、小規模なサイトやブログ運営に最適。
- 費用が安い:数千円程度から利用可能で、初心者にとっても負担が少ない。
- 管理の手間がない:サーバの設定やバックアップは運営会社に任せられるので、専門知識不要。
デメリット
- 拡張性が低い:サイトにアクセスが集中すると、パフォーマンスが低下しやすい。必要に応じた性能アップが難しい。
- 共有型は影響を受ける可能性がある:他の利用者が大量の負荷をかけると、自分のサイトの速度が遅くなることが稀にある。
- カスタマイズの自由度が低い:サーバ構成や設定を変更する柔軟性がない。
クラウドサーバとは
クラウドサーバは、インターネット上で利用可能な「仮想的なサーバ」です。
多くの場合、大規模なデータセンター内に物理的なサーバが設置されており、その中で仮想的に「切り分けられたリソース」を利用します。
必要な分だけリソースを使える従量課金制が一般的で、サーバの性能を柔軟に調整できるのが特徴です。
特徴
- 必要に応じてリソース(CPU、メモリ、ストレージなど)を追加したり削減したりできる、柔軟性が高いサービス。
- 物理的なサーバとは違い、アクセス量に応じてリソースを調整できるため、サイトが急成長しても対応可能。
- 世界的な企業が提供しており、高い信頼性とセキュリティ性能を持っている。
メリット
- スケーラビリティが高い
アクセスが急増した場合でも、簡単にリソース(性能)を拡張できるため、大量アクセスに対応可能。例えば、セール期間やイベントに合わせてサーバ性能のアップが可能。 - 柔軟性
必要に応じて「CPU」「メモリ」「ストレージ」を追加可能。使った分だけ料金を支払う従量課金制が多いため、無駄なコストを抑えられる。 - 高い安全性
自動バックアップやデータ冗長化(データを複数箇所に保存する仕組み)が標準機能として組み込まれている場合が多い。
デメリット
- コストが変動する
従量課金制が一般的なため、アクセスが増えるほどコストが高くなる可能性があえる。予算管理が少し難しくなることも。 - 運用に専門知識が必要
サーバの設定やメンテナンスを自分で行う場合が多く、初心者には少しハードルが高い。 - 過剰性能になりがち
小規模なサイトでは、クラウドサーバは必要以上の性能を持つ場合があり、コストが割高に感じることも。
ウェブ制作視点でのポイント
ウェブサイトの規模や目的によって、どちらのサーバが適しているかが変わってきます。以下に、ウェブ制作の視点から選び方のポイントをまとめました。
レンタルサーバが向いている場合
- 初期段階でアクセス数が予測可能で、急激な変動がない場合。
- 小規模なサイトやブログ運営を手軽に始めたい場合。
- サーバ設定や管理に時間をかけたくない初心者。
クラウドサーバが向いている場合
- 流入増加が見込まれるサイト(例:ネットショップやイベントサイト)。
- 将来的にサイトの規模が拡大する予定がある場合。
- 大規模なサービスや複数の機能を統合したシステムを運営したい場合。
- サーバの柔軟なカスタマイズや高度なセキュリティ対策が必要な場合。
- アクセス数に応じてサーバの性能を調整したい場合(例:セール期間中にCPUやメモリを増やして対応)。
ポイントをさらに分かりやすくするために、レンタルサーバとクラウドサーバを比較表にまとめました。
※あくまでも参考ですので、サービスによって仕様が異なります。
ポイント | レンタルサーバ | クラウドサーバ |
初期費用 | 安価(月額数千円〜) | 安価(初期費用がゼロの場合も) |
ランニングコスト | 固定(月額制) | 従量課金制が多い |
パフォーマンス | 急なアクセス増には弱い | アクセス増大にも対応可 |
拡張性 | リソースの増強が難しい | スケーラブルでリソース追加が簡単 |
セキュリティ | 運営会社が管理 (手軽だが共用の場合に注意) |
自動バックアップや 冗長化で安全性が高い |
運用の手間 | 少ない(初心者向け) | 知識が必要(中級者以上向け) |
具体的な状況別のおすすめ
1. 個人ブログや中小規模のサイトを運営したい場合
この場合、レンタルサーバが適しています。
例えば、個人ブログや企業の情報サイトなど、アクセス数が予測可能でそこまで急な増加がないサイトなら、レンタルサーバで十分な性能を得られます。手軽に始められ、管理の手間も少ないため、初心者でも安心して運用できます。
2. ネットショップやキャンペーンサイトを構築する場合
セールや広告などで突発的にアクセス数が増加することが予測される場合には、クラウドサーバの柔軟性が有利です。
特に、大量のアクセス集中がサーバダウンにつながることを防ぐため、スケーラビリティを持つクラウドサーバが適しています。また、従量課金制の仕組みによって「必要な時だけ性能をアップ」できる点も魅力です。
3. 長期的に拡大するサービスサイトを運営したい場合
将来的にウェブサイトの規模が拡大することが分かっているなら、クラウドサーバを選ぶのがおすすめです。
例えば、会員登録機能があるプラットフォーム型のサービスや、大規模なシステムが必要となるウェブアプリケーションの運営など、長期間にわたって機能追加やアクセス増加に対応する場合には、クラウドサーバの柔軟性がメリットになります。
ウェブ制作会社としての視点
私たちウェブ制作会社の視点から見ると、サーバ選びはウェブサイトの成功に直結する重要な要素です。サーバが適切でない場合、サイトが遅くなったり、ダウンしてしまうこともあります。
特にアクセス増加時に対応できないサーバを選んでしまうと、顧客満足度の低下やビジネスチャンスを逃すことにつながります。そのため、サーバ選びは慎重に行う必要があります。
ポイント
- サイトの目的と規模を明確にする
・小規模で安定したアクセスが見込まれる場合はレンタルサーバ。
・流入が増加する可能性がある場合や高度な機能を実装する場合はクラウドサーバ。 - 予算に合わせた選択をする
・初期費用を抑えたい場合はレンタルサーバ。
・成長を見越して柔軟な運用を希望する場合はクラウドサーバ。 - 運用の手間や技術的な知識を考慮する
・サーバの管理に自信がない場合はレンタルサーバ。
・技術者がいる場合やカスタマイズ性を重視するならクラウドサーバ
最後に:どちらを選ぶべきか
ウェブサイト制作を考えている方にとって、サーバ選びは初期段階の重要なステップです。
レンタルサーバとクラウドサーバにはそれぞれメリット・デメリットがあり、どちらが最適かは「サイトの目的」「予算」「運営知識」によって異なります。
レンタルサーバは手軽で低コストな選択肢として、特に初心者や小規模なサイトにおすすめです。
クラウドサーバは柔軟性とスケーラビリティを重視したい方に適しており、大規模サイトやアクセス増加が予想されるプロジェクトに最適です。
当社では、基本的にはお客様でサーバをご用意いただく場合が多いです。
しかし、サーバの知識がない、自社にエンジニアがいないため、何を選定して良いかわからない。
そういったお客様には、サーバ選びをサポートさせていただいたり、パートナーをご紹介しています。
ウェブサイトが成功するために、最適な提案をさせていただきます。